FCT シリーズの最大の強みは中心収差が極めてシャープであるという点でした。『FCT-65D』 はその特徴を更に発展させ、口径 65mm/F6.2 の明るさでありながら眼視ストレール比 97.5%(計算値)と、完璧に近い中心像を誇ります。従来の小口径のメリットであるコンパクトさを維持しつつ、眼視と撮影がより楽しめるマルチフォトビジュアル鏡筒として進化しました。
鏡筒本体につきましては、従来のスタイルとは異なる外観になっていますが、これは高性能専用『FU レデューサー』を収めるための仕様であり、2インチサイズの接眼体を採用しています。
眼視ストレール比 97.5%という数値は、FC-100DZ とほぼ同じ数値であり、焦点内外像に色付きが少なく、ベストピントの状態の際にも色滲みはほとんど見られません。口径こそ65mm ですが、中心像のクリアさという点に絞れば、TSA、TOAシリーズに匹敵する、極めて良い状態で感動的な眼視体験をお楽しみいただくことができます。
本製品『FCT-65D』はドロチューブ後端から焦点面までの距離(メタルバック)が約199.2mm(ドロチューブ繰出量「18.4mm」+アダプター等一式の光路長「180.8mm」)と長く、別売の「天頂ミラー50.8」や「天頂プリズム31.7MC」を併用して、無限遠にピントを合わせられることも魅力です。(※1)。写真撮影だけでなく眼視適正の高さから、『FCT-65D』は眼視用途のお客様にもお選びいただける鏡筒になっています。
※1 眼視の場合、購入時の状態では無限遠にピントが合いません。別売の「50.8 延長筒」または「天頂ミラー50.8」/「天頂プリズム31.7MC」をご使用ください。
『FCT-65D』では、天体撮影でも優れた性能を発揮します。「FC/FS マルチフラットナー1.04×※2(別売)」との相性も良好で、RMS スポット直径は中心で約 4μm、35mm フルサイズの周辺でも約10μmとなり、中央比光量は APS-Cサイズのセンサー をカバーする範囲でほぼ 100%を維持しています。
※2 別売の専用スペーサーリング『マルチCAリング65D』が必要になります。また、『M55.9延長筒L30(別売)』を併用すれば合焦時のドロチューブ繰出量を約50mmから約20mmへ抑えることが可能です。
◆高橋製作所ホームページ◆
<主な仕様>
形式:3群3枚フローライトアポクロマート
鏡筒名称:FCT-65D
鏡筒外径:φ95mm(フードφ80mm)
有効口径:φ65mm
鏡筒全長:403mm
焦点距離:400mm
口径比: 1:6.2
ファインダー:別売(6×30推奨)
質量:約1.9kg
※バンド・アリガタは別売